リベラル・アーツの意義

リベラル・アーツとはなにか

リベラル・アーツとは、困難に立ち向かうための知識や、生きる力を身につけるための手法を言います。リベラル・アーツには現在2つの考え方があります。

古典的リベラル・アーツ
古代ギリシャから古代ローマに受け継がれ、言語系3学(文法・論理・修辞)と数学系4学(算術・幾何・天文・音楽)で構成される自由7科として定義されます。

現代的リベラル・アーツ
現代化社会に合わせて、外国語や保健体育などの科目を追加し、自主性を重んじ受講科目を比較的自由に選ぶ傾向にあります。

プラトン

リベラルアーツの原型は、古代ギリシャのプラトンが推奨した教育と言われています。

初期中世の教育を構成した自由七科の体系を発展させた最初の人物の1人、マルティアヌス・ミンネウス・フェリクス・カペッラ

知的生産

新型コロナウイルスー今生きている人たちが経験したことのない未曾有の事態。感染経路や防衛手段を知らない人類は、多くの親族を失ってしまいました。

先行きの全く見えないできごとに、権威者でさえ正しく道を見失います。そう、思考は不測の事態が起こったとき、本来の力を発揮できなくなってしまいます。

思考が本来の力を発揮できなくなったとき、どうすれば良いでしょうか?その答えは、思考が始まる前提になる知覚にあると考えています。

知覚とは、動物が外界からの刺激を感覚として自覚し、刺激の種類を意味づけすることである。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚、平衡感覚など、それぞれの感覚情報をもとに、「熱い」「重い」「固い」などという自覚的な体験として再構成する処理であると言える。-Wikipediaより

知覚は、見たり聞いたり感じたりした情報に、独自の解釈を加えるプロセスのことをいいます。

雨が降ってきたとします。
ポツッ(あれ?今、頭に何か水のようなものが落ちた)…あ、雨が降ってきたんだ!知覚
傘を手に入れないと風邪をひいちゃう。近くのコンビニでビニール傘を買おう!思考
コンビニへ傘を買いに向かう実行

雨でびしょびしょになると、風邪をひくという体験や情報を知っているからこそ、コンビニへ傘を買いに行く行動が取れました。もしも雨で風邪をひく可能性のあることを知らなければ、傘を手に入れようと思わなかったでしょう。
知っていることであれば思考で対処ができますが、知らないことであれば思考では対処ができません。
では、知らないことが起こったときは…?そう、最初に雨が降ってきたと気づいたこと、究極的には頭の上に水のようなものが落ちてきたときにどう感じるかの初動が大事になるのではないでしょうか。これが知覚です。

さて、先ほどの雨の例で、知覚思考実行というキーワードが出てきました。
この一連の流れを知的生産と呼びます。
知的生産性が高くなれば、生活の質を向上させたり、売上をアップさせたり、危機的状況から回避したりすることが可能になります。

リベラル・アーツの重要性

では、どうやって知的生産力を身につけるのか。

そこで登場したのが、リベラル・アーツになります。
知的生産プロセスの知覚思考実行を身につけるために、古典的リベラル・アーツの3学=文法学論理学修辞学が行われたのです。

リベラル・アーツ3学の内容
  1. 文法学:パターンの認識・他の情報への紐づけ
  2. 論理学:分析的思考のための手順や訓練
  3. 修辞学:人とのコミュニケーションスキル

そして、文法学にある「他の情報」で有用なものとして、4科(算術・幾何・天文・音楽)が位置づけられていました。
現代版リベラル・アーツでは、グローバル社会に適応するための外国語など、これから訪れる新しい時代に必要な科目を増やしていきます。適切な知的生産が行われるたび、新しい科目は増やされ、不要な科目は時代とともに削除されます。

このことから、いつの時代でも必要なものは知的生産に関わる3学の習得は非常に有効であると考えています。

モダン・リベラル・アーツ

リベラル・アーツを推奨するまで

ボイスカルチャージャパンの最初のサービスはボイストレーニングでした。
ボイストレーニングをより論理的に考え、より体系的に身につけるうえで、実践的な心理学を取り入れる必要がありました。そうして生まれたのが発声診断書®︎であり、現代版ボイスカルチャーでした。

発声診断書両面

高い声、音程、滑舌などを担当する筋肉があり、その筋肉のパフォーマンスを向上させれば、どんな声でも自在に出せる。現状を10個の声を出すことで判別し、個別の日課メニューを組み実践することで、思い通りの声を実現するプログラムです。

発声診断書のページを見てみる

ボイスカルチャーのサービスを卓越したものにしていく工程で、さらに必要になったものや、新しく生まれた価値が多くありました。それらを全てサービスに盛り込むと、リベラル・アーツという形になったのです。
ただ声がよくなる、ただ歌が上手になる、演技が上手になるーもちろん大事なことですが、それをどう生かすかも重要だと思いました。
何になりたい/どう生きたいーこの2つを考えてこそ、自由な生き方ができると考えていますし、知的生産力を身につけることは、一生涯の最も価値ある財産になると考えています。

モダン・リベラル・アーツの形態

古典的リベラル・アーツの時代は、知的生産システムに準じて、文法学・論理学・修辞学となっていました。現代では、少し枠組みが変化し、文法学と修辞学を合わせたものが存在したりします。
基本的な考えは3学4科としつつ、実際に行うサービスはその枠組みにとらわれず包括的であるものも展開していきます。

また、職業や立場によって、重点的に履修する科目も異なることも多く、何をどのように学べばいいかの判断が難しいかも知れません。そこで、ボイスカルチャージャパンで資格や称号を考案しました。受講する目安になればと思います。

資格・称号

※現在、プログラムを作成中です。

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