オーラは出ていない方がいいと考える理由
ボイスカルチャー®︎の加藤寛理です。
主には声の指導を長年やっていますので、生徒さんは芸能の業界に身を置いていらっしゃいます。
生徒さんからたまに相談される内容の1つに
オーラがなくて困っている
覇気がないとか、一般人みたいとか、良い意味で言われないという方がチラホラ。
そして僕の回答はいつも同じで、オーラは出ていない方がいいよと伝えています。
今回は、オーラがないという人に、なぜ出ていない方がいいのかというお話をしたいと思います。1なお、オーラとはなんぞやというお話になってしまいそうですが、今回はその定義には触れません。
その1 オーラのコントロール
オーラが出ている人とはどういう人ですか?と尋ねてみると、次のような回答が多い印象です。
- 仕事できる雰囲気を纏っている
- 自信に満ち溢れているように見える
- 夏でもストールを巻いている(笑)
次に「僕ってオーラあるように見えますか?」と尋ねます。すると「そんなに出ているようには見えません」と答えます。
「じゃあ仕事できる雰囲気がなかったり、自信なさそうに見えますか?」と伺うと「全くそんなふうには見えない」と、本音かお世辞(笑)かは分かりませんが、そう返してくれます。
実は僕、当時の交友関係のある方に聞けばよくご存知だと思いますが、20代の頃はとても明るく、エネルギッシュなオーラが出まくっていた人です。あるグループで、僕がいるだけで別の団体に見える(いないとまた別の団体に見える)というたとえがとても分かりやすかったです。
そんな僕は、あるとき気がつきました。そういうエネルギーって放出し続けるより、体に留めておく方が効率がいいということに。
そしていつしか、常に出ていることを、オーラの垂れ流し/お漏らしと呼ぶようになりました(笑)
確かに出まくっている、漏れまくっていることで成り立つ方はいらっしゃると思います。新庄剛志氏とか。そういうキャラクターの人はいいと思います。
僕が出会った中で、この人のオーラすげえなと思ったのは、ワンピースの主題歌などでおなじみ、歌手のきただにひろしさんです。
さて、オーラが出ている人については、次のようなパターンかなと思っています。多くは「そういうふうに見られたいのかな?」と感じます。
- 出ちゃっている人
- 出しちゃっている人
- 出さざるを得ない人
悪いってわけじゃないんですけどね。もうちょっといい使い方ってあるんじゃないかなって思ったりするわけです。
そういう意味で、オーラが出ている人は、コントロールがうまくできていない人と考えると、出ていないことは決して悪いことではないような気がしませんでしょうか…主観ではありますが、そんなふうに感じます。
その2 オーラの出し入れ
次に、普段留めているオーラを出したいときにきっちり出すということについて。
車のエンジンを想像してもらえますでしょうか。車体が温まっていない冬なんかは、エンジンを通常運転にするまでに時間がかかりますよね。
オーラも同じで、普段から出し入れを頻繁に行なっていないと、留めるのに慣れてしまっていると、いざというときに出せないなんてこともあります。たまに出す習慣があるといいかもしれません。
おすすめは、自分のキーワードとなる言葉を筋肉に宿らせる。
心理学でビリーフ(信念)は筋肉に宿るという言葉があります。唱えながら、特定の筋肉にグッと力を入れることで、気持ちが入りやすくなります。
その3 オーラが出ていないことの長所
特に役者さんはそうですが、オーラが出ていると、何か役を演じているときに、邪魔になるか、役に入るまでの工程が1つ2つ増えると考えています。
通常は、オーラが出ていないということは、抵抗なくかつ素早く相手になりきることができるという長所もあります。
オーラは、いわば色のようなもの。色があることで個性は際立ちますが、個性の必要のない場面では、オーラのないことがとても貴重な存在にもなると思います。
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