日頃、生活をしている中で、成長を望んでいると気づく場面を思い出せますでしょうか。
- スキルを磨いてもっと上手になりたい
- 能力を高めて仕事を順調に進めたい
- もっと減量してスリムな体型になりたい
もちろん容易なこととは限りませんので、普段の努力は多少なりとも必要です。だからこそ、やる気・モチベーションの維持が重要なポイントになるでしょう。
以前、ネガティブはよくないけど、ポジティブもよくないというお話を書きました。
ポジティブを超えるマインドセットのお話です。
今回ご紹介するのは、メンタル面を向上させて、大きな成長を望もうと学びや習得に励んでいる方に、さらに大きな成長を促す意外な方法をお伝えしたいと思います。
- 今のままの自分ではダメだと思っている人
- 明確な目標を持っていて、それを達成したいと思っている人
- 能力を向上させてレベルアップしたいと考えている人
こちらの動画で詳しく解説しています。
メンタルを向上させる最も効果的な方法
変わりなさいと言われた人たちの行く末
「今のままではダメだから変わりなさい」
指導する立場の人からこんなことを言われたり思われたりしている状況を思い浮かべることはできますでしょうか?
そして、もしもそのような経験がある人は、このようなことを思うかもしれません。
もっと変わらなければ。変わりたい、変わりたい、そう強く願う。それはまるで、暗闇の中で光を探して彷徨うかのようにー。
勉強や運動で思うような結果が出ない生徒さんは、ただがむしゃらに悩み苦しみ、必死にもがきながら、結果を残すことができた人もいれば、思うような結果を残せない人もいるでしょう。それでも悔いはないと思える人もいれば、最初から挑戦しなかった人もいるでしょう。
仕事を思うように進めることのできない社会人の方は、積もり積もる難題、会社の人間関係に右往左往し、ストレスも抱えながらも、良い業績をあげることができた人もいれば、出世街道からは離脱しながらも家族のために淡々と働く人もいるでしょう。社会の荒波に対応できずに馴染めない人もいるでしょう。
自己啓発等のセミナーの受講生さんたちは、主催者から今の状態ではダメだと散々刷り込まれ、欲しい未来を手に入れるために高額なコンテンツを購入した人もいれば、自分には向いていなかったと諦める人もいるでしょう。時間やお金や情熱を注ぎ込み、満足している人もいれば、まだ足りないとセミナージプシー(はしごする)に陥る人もいるでしょう。
いずれの場合においても、ある一定の成果を上げることができた人は成功なのかもしれませんし、成果を上げられなかった人は失敗だったと定義されるかもしれません。
これに気づくことができれば、どんな選択や結果も受け入れやすくなるとは思います。
いわゆるアゲアゲは長続きしない理由
冒頭で紹介した記事の中で、ポジティブはエナジードリンクのようなものという表現をしました。
摂取時は上がりますが、効果が切れると落ちます。その瞬間はとてもありがたいですが、いつも過剰に摂取し続けると、心身ともに良い影響はないーこれと同じではないかというお話です。
商品の寿命の図でもあるプロダクトライフサイクルも同じです。導入期間を短くし、さっと売上を上げてしまったものは、すぐに廃れてしまうという性質があります。1昨今のスマホゲームは、ほとんどそうじゃないでしょうか。
プロダクトライフサイクルとは、商品寿命を表す曲線です。成長のステージごとの特徴、やるべきこと、性質などを抑えることで、長く息の続く商品を売るために用いられるマーケティングの考え方です。
画像:グロービス「プロダクトライフサイクル(PLC)とは?」より
メンタルも同様で、大きく上がったものは大きく下がります。速く上がったものは速く下がります。
グラフで表すと、図のようになります。
うおおおおおおお!と上げたところで、下がります。上がりっぱなしならいいんですけどね。ほぼ確実に下がります。
その理由は、脳の生存本能に関わる空白の原則に起因します。
未知なる状況に置かれると危険だと感じて、空白の部分(ギャップ)を埋めようとする脳の性質。
急に上がった状態は、いわば未知なる状況です。
それを心地いいと思えればいいのですが、大抵は違和感となり、そのギャップを埋めようとします。
埋めようとするとき、最も馴染みのあるこれまでの自分を基準にするのは想像に易いと思います。下がるというより、元に戻って安心するのが通常です。
だから、すぐに上がったものはすぐ下がる。そして、じっくり上がったものは、そこまで下がりにくい…となる傾向があるように感じます。
じっくり上がる以上の変化
一長一短で身につくようなものは所詮付け焼き刃…まぁその通りな気もします。
でも、そうはいっても、早く結果を出したい場合もあるかもしれません。
そんなときはどうすればよいか。
時間をかけることでしか成果を出せないものは除外しますが、メンタル面の場合、一瞬で変化する考え方があります。それは、
何も変わらなくていいということに気づく
ということです。
変わらなかったら変わらないじゃん!…まぁそうですよね。ただし、変わらないというのは、セルフイメージ等が低いと思っている自分ではなく、過去の低いと感じている自分の解釈を変えてしまうということです。
図で表すと、こんな感じです。
元々のスタートが低いと思っているから、上がらなければならないと思ってしまうのです。そう、それは、「今のままではダメだから変わりなさい」と指導する立場の人に言われてきたり、自分はダメだと思い込んだりしているからに他ならないからです。
今のお前は悪い子だ!
こう言われたら、あなたはどんなふうに感じますでしょうか。子育てで考えると分かりやすいかもしれませんが、子どもに「お前は悪い子だ」と言ったら、その子はどう感じますでしょうか。ほとんどの場合は、きっと心も可能性も閉ざしてしまうのではないでしょうか。
勉強ができる子と苦手な子だと、通信簿の評価はできる子の方が高いでしょう。また、仕事が早い人と遅い人では、早い人の方が生産性が高いでしょう。
では、人としての価値はどうでしょうか。勉強ができる子、仕事の早い人の方が人間としての価値が高いかどうかと言われれば、これはおそらく同じではないでしょうか。
何らかの価値判断により、自分は低いと思い込んでいる。だから低いままではいけないと思う。しかし、人としての価値は同じであること、また価値判断によって悪影響を及ぼされない環境下に身を置く(アメリカに行って日本語の会話を生業とするなど)といったことがあれば、自分は低いというふうに思わなくなるかもしれません。
では、低いと思っていた自分は実は高い(低くない)状態と気づいたとき、高い(低くない)状態が普通なのであれば、特に下がる理由はありません。元に戻そうにも、元から高い(低くない)わけですから。
大きな変化ほど変化を感じない
自分の解釈を変えることによって、下がらない状態を作り出すーこの手法は、劇的に変化したようには感じません。なぜなら、元々そうだったと思っているからです。
残念なことに、たとえば一般的なセミナー業界では、この方法は滅多に採用されません。え?何か変わった?何も変わってなくない?となるからです。すなわち満足度が高いと思えないからです。
劇的な変化を感じている場合、満足度は高いもののすぐ落ちてしまい、結果的には効果が薄い。
大きな変化を感じなかった場合、満足度は高くないものの、過去の解釈が変わったから感じないだけであり、結果的に大きな変化につながっている。
…もちろん、品質が悪くて満足しないだけの場合もありますけどね。
前者は今この瞬間は変わっているように感じますが、過去は変わらないため、同じ過ちを繰り返しがちです。一方、後者は過去から変わるため実感しにくいが、同じ過ちを冒しにくい状態になります。
僕がカウンセリングを行った後、どう感じますか?と伺うと、え、何か変わったのかなぁ?という感想がほとんどです。雑にやったわけではないですよ(笑)失敗してないかな?大丈夫かな?と思いつつも、きちんと成果が出ることが大半です。
たとえば、人前で緊張して話せなくなるという人。
カウンセリング後、人前でいつの間にか自然に話せていて気づかず、そういえば緊張していて話せなかった自分だったことを忘れていた…なんてことになります。びっくりですよね(笑)
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した脳の空白の原則を含む「脳の三大原則」については、有料ページにて紹介しています。
また、ニュートラルなあり方、セルフイメージの変換の具体的な方法については、ニュートラルベースNLP®︎の講座にてご紹介しています。
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