ミックスボイスは、武器ではなくレベル上げである



ミックスボイスはレベリング

声の勉強をされている方は、ミックスボイスについて聞いたことがあるか、あるいは練習した経験があるかもしれません。

別の記事でも触れましたが、ミックスボイスは地声と裏声の中間のような声と評されています。

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中間のような声の種類というイメージがあるからか、「あれば尚いい」程度で、さほど重要視されている印象がありません。

私はミックスボイスについて、どうしたらその重要性を分かってもらえるかと、順々に理論を説いたり動画で解説したりしていますが、もっと分かりやすい表現やたとえがないかと常々考えていました。
そして今回、若い世代の方には分かりやすそうなイメージを思いついたので共有したいと思います。それは、

ミックスボイスは、武器ではなくレベル上げである

どういうことか、見ていきましょう。




ミックスボイスは装備?レベル上げ?

ミックスボイスの習得を、RPGのゲームにたとえてみたいと思います。

あなたは、そのゲームの中のキャラクターです。
仲間と共に敵を倒しレベルを上げ、装備を整え、ボスを倒すという物語の最中にあります。

理系脳の人は、どうすればより効率よくレベルを上げながら、所持金の中でうまく装備を売買しつつ、クリアを目指していくかもしれませんね。

一方、文系脳の人は、パーティメンバーや街のNPCの会話に耳を傾けながら、なぜ世界は今こうなっているのか、どうすればより良いEDを迎えられるかーなんてことを考えているかもしれませんね。

ゲーム

さて、話を現実世界に戻します。
もしも、このRPGの中に、ミックスボイスという概念を登場させるとします。

このRPGのたとえをする前、もしかすると「今の自分にない声を身につけることなので、装備のようなもの」と思われていたかもしれませんが、「今の自分にはできない声をできるようにする」ことなので、紛れもなくレベル上げに該当します。装備のイメージだった人は「自分の職業で装備できるものなのか、今必要なものなのか」といった疑問があったかもしれません。しかし、装備ではなくレベル上げであれば、必要なことだとご理解いただけると話がスムーズに進みます。

ミックスボイスは確実にレベルを上げることのできる手段です。ミックスボイスでレベルを上げ、尚且つ装備も別枠で身につけることができるーなんだかさらにステータスがアップしそうな気がしませんか?1お分かりいただけるかと思いますが、これを書いている僕は理系脳です(笑)

RPG

ゲームをクリアするという点において、レベル上げ自体は重要なことですね。

ミックスボイスは必須なのか

さて、もしかするとここで、1つの疑問が浮かぶかもしれません。
はたして、必ず行わなければならないレベル上げなのかという疑問です。もしも他のレベル上げの方法があるのであれば、ミックスボイス以外の選択もあり得ますもんね。

自分は音程を取るのが苦手だから、ミックスボイスの習得をするよりも、音程を取るための音階練習をした方がいいと思う。
滑舌が苦手だから、早口言葉の数をこなす方がいいと思う。

おそらく、そんなふうに思われる方が大勢いらっしゃる気がします。

楽譜



ミックスボイスは体幹トレーニングと同じ

自分の弱点となる部分を訓練するのはもちろん大事です。それらを克服していくことで、間違いなく穴のない声になっていくでしょう。

それでも私は、ミックスボイスの訓練をおすすめします。
その理由は、スポーツで言うところの体幹トレーニングのようなものだからです。

現実世界でいうと、吉田沙保里さんのようになるイメージです。もちろんレスリングでは最強ですが、他の競技にチャレンジしても、そこそこ上手くできてしまわれます。トランポリン、リフティング、野球のスイングあたりを見たことがありますが、体幹が非常に優れていらっしゃる印象で、軸がブレず、ちょっと練習すれば何でもすぐに形になってしまうーという感想でした。いやぁ、ほんとすごいです。
体幹がしっかりしていれば、どんな競技にもある程度対応できる状態になります。

声も同じです。ミックスボイスさえしっかりやっておけば、歌だろうがナレーションであろうが、仕事をこなす分には十分に対応できる声のシステム(スカフォルディング)が完成します。

ミックスボイスのすごいところ

ミックスボイスの習得には、地声と裏声を鍛える工程が含まれますので、大きな声や高い声、響く声や通る声などに加えて、音程や滑舌基礎なども同時に体得できますーその専門の訓練を受けなくてもです。

形が見えるまでに3年、習得には最低6年かかるものですが、間違いなく軸となるものですので、ぜひ積極的に真のミックスボイスを習得できるようにがんばってください!

いかがでしたでしょうか。もっと詳しく聞いてみたい方には、発声診断書®︎のレッスンをおすすめします。

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発声診断書®︎で行うのは次の内容です。

  • 発声理論をもう少し詳しく解説
  • 10個の声を出して現在の声の状況を診断する
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