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ストレートナレーションが上手くなるためのコツと練習方法



ストレートナレーションの訓練

ストレートナレーションの伸び悩み

ナレーター、アナウンサー、声優などの養成機関で、ナレーションを学んだことのある方へお伺いします。ストレートナレーションって難しいと感じたこと、ありませんでしょうか?

無声化やイントネーション、アクセント、プロミネンス、エロキューションなど、ナレーション技法についてはしっかり教わるので、基礎的な部分は問題ないように感じる。しかし、いざやってみると、決して悪くはないけれど、何か足りない。ストレートナレーションは色付けをしないので、そういうところなのかもしれない。はたして、これでいいのだろうか?今よりも上達するには、何をすればいいのだろうか。

今回は、ストレートナレーションの訓練の方法についてお話ししたいと思います。

読んでもらいたい人
  • ナレーションを学んでいる養成所生
  • ストレートナレーションが上手くならないと悩んでいる人
  • 仕事で悔しい思いをしている人

今回の内容は、こちらの動画でも詳しく解説しています。

【発声教室】ストレートナレーション限界突破 3つの訓練

ストレートナレーションの育成方針

まずは、こちらのサンプルをお聞きください。

ドイツの首都 ベルリン
あまり水の印象は強くないベルリンですが、このシュプレー川では多くの観光客がクルージングを楽しんでいます
実は世界遺産の横を流れていることもあり、観光として遊覧船が大人気です
船から見えるヨーロッパの街並みや世界遺産をごゆっくりお楽しみください

もしも自分が教える立場だとしたら、技術面でどのようなことを伝えるでしょうか。

間や声色については、映像がどんなものか、申し込みのターゲット層はどんな人かによって変わると思いますので、臨機応変に変える要素については度外視してください。

ナレーション技法をある程度学び習得し、そして声もある程度安定すると、この先の育成方針に迷うかもしれません。

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ストレートナレーション おすすめの3つの訓練

今回、ご紹介するのは、次の3つの訓練方法です。

おすすめの3つの訓練
  1. 身体的感覚反応への誘導
  2. メンタルコンセプトの実践
  3. 正確な発声訓練

身体的感覚反応への誘導

今回のナレーションの方針として、聴いた人が旅行に行きたくなるようなナレーションを目指してみたいと思います。

人は、何か物やサービスを買いたいと思う瞬間、どのような状態になっていますでしょうか?おそらくですが、「欲しい!!」と思っていることでしょう。
では、欲しいと思うに至る状況とは一体どんな状況でしょうか。

経済学的には、値ごろ感…効用や価値が支払う金額によりも大きいと感じれば購買にはつながると思います。旅行プランで値ごろ感を出すのはナレーターの仕事ではないので、あくまでナレーションで行きたいと思ってもらえることを目指します。

答えの1つとして、感情が大きく揺さぶられたときがあるのではないでしょうか。人は感情が大きく揺さぶられる状態、すなわちエンタメ要素のあるときになりますが、感情が大きく揺れたとき、行動に移りやすいと言われています。

バンジージャンプ…冷静に考えると、怖い思いをするにも関わらず、お金を出してまで飛ぶ人がいらっしゃるわけです。恋愛もそうですが、感情が揺さぶられるとき、思っている以上の行動ができるのかもしれませんね。

バンジージャンプ

そして、1つ目に紹介するのが、感情が揺さぶられるまでの手順を追っていく、身体的感覚反応というものです。

作詞のテクニックとして次のようなものがあります。

近所の公園にあるベンチに座った
もしこのようなフレーズがあった場合、その公園には何があるか、何人くらいいるか、時計台の時計は何時を指しているか、子どもは何をして遊んでいて、お母さんたちは何を話しているかといった情景をしっかり言葉にして思い浮かべなさい。想像する光景は人それぞれ全然違うし、話し手の設定と聞き手がイメージする光景は全く違う。でも、設計した方が圧倒的に伝わる。

このテクニックで伝わるのは、リアリティのようなものです。近所のよく行く公園とGoogleマップでしか見たことのない公園、どちらが多く語れるかーみたいなものだと思ってください。

公園

サンプルで、“このシュプレー川では多くの観光客がクルージングを楽しんでいます”の部分に注目します。
シュプレー川に強い思い入れのある人は、その単語を聞いただけで、感情の揺さぶりが起こるかもしれません。シュプレー川は行ったことがなくても、クルージングの想像はできると思います。…できる…よね?1ナレーターは多趣味がいいと思う理由の1つがこういった部分です。多趣味でさまざまなものに触れていると、リアリティのある表現の引き出しが多いような気がします。

さて、身体的感覚反応は、感情が揺さぶられるまでの手順を追っていくことで得られます。具体的には、見聞きしたものをどう感じるかです。

近所の公園にあるベンチに座ったーだけでは、ただの情景描写です。この後に、座った瞬間に涙が溢れ、今までありがとうと心の中で囁いたーと続いた場合、どうでしょうか。

今までありがとうという言葉を心の中で囁くとき、もしかすると胸のあたりが苦しく熱く感じているかもしれませんし、目頭に強い圧力を感じ眉間にしわがよっているかもしれません。

これを、身体的感覚反応と言います。この感覚を持ったまま、近所の公園にあるベンチに座ったと言ってみてください。何か違いはありますでしょうか?聞き手の方は何か違いを感じましたでしょうか?

メンタルコンセプトの実践

2つ目の訓練は、メンタルコンセプトです。

メンタルコンセプトは、カラオケが上手くなる訓練の動画でも少し触れたことがあります。

【発声教室】カラオケが上手くなる訓練 前編

メンタルコンセプトとは、自分が模倣したい方の声を、何を聴かなくても頭の中で細かく再現できるまでイメージする訓練になります。

ステップ1 お手本をなぞる

  • 自分の過去の記憶にある理想や既存の先輩の作品の中から、模倣したいものを選ぶ
  • お手本の音源を何度も聞き返す
  • お手本をなぞるように一緒に声を出す
  • 慣れてきたら音源の音量を下げて自分の声を主体に声を出す
何度も聞き返す

好きな音楽を何百回、何千回と聞くように、頭の中で忠実に再生できるまで、ひたすら聴き込みます。

メンタルコンセプトの訓練を10段階にすると、ここまでで1〜2程度になります。

ステップ2 何も聴かずに再現する

2つ目のステップは、聴かずに再現することです。

お手本の方の口調、息遣い、言葉尻、速度や言葉の粒の揃え方など、あらゆるものを忠実に再現します

お手本の音源の人を知らない人に理解してもらえるレベルにまで実演できるようになったら、10段階でいうところの8程度です。

ステップ3 不要な部分を削除する

誰かを徹底的に模倣することをモデリングといいます。

モデリング(英: Modelling)は、心理学用語のひとつ。何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て、同じような動作や行動をするのがモデリングである。(Wikipediaより)

モデリングの最終的な工程でもありますが、全部再現したあと、必要ないと思うものを省いていきます。

省いたことによって崩れたら必要、影響がなければ省きます。こうすることにより、初めてオリジナルの表現になります。

模倣して削除することで、メンタルコンセプトとしては10段階の10になります。

メンタルコンセプトを重要視するのは、イメージした通りに声の筋肉が動いてくれるー裏を返せば、イメージできなければ、発声の筋肉は思うように動かないからです。

正確な発声訓練

最後にご紹介するのは、正確な発声訓練です。

メンタルコンセプトでお手本とする方の模倣をする段階で、どうしても真似できない部分が出てくることがあります。例えば、お手本の人ほど低音部分が安定して読めないといった内容です。

そのためには、再現するための声の土台、即ち発声訓練が必要になってきます。

陸上競技に例えると、メンタルコンセプトが好きな選手のフォームの模倣から始めるフォームづくりで、発声訓練が筋トレに該当します。

声の訓練については、こちらの動画で詳しく話をしています。

【発声教室】声の出る仕組み、声帯の構造、声の筋肉の役割の解説

正確な発声訓練と表記したのには、理由があります。

例えば、ナレーションにおいて生命線ともいえる、滑舌

世間一般的には、滑舌を良くするために、以下のような指導がされていませんでしょうか?

口角を上げる
  • 口をしっかりとあける
  • 口角を上げる
  • 表情筋を活用する

確かにこれらで、滑舌は若干良く聞こえます。

滑舌に多少は影響しますが、根本的な部分ではありません。滑舌に大きく影響を及ぼすのは、舌骨と呼ばれる舌がくっついている骨にくっついている筋肉舌骨上筋群(茎突舌骨筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋など)や舌骨下筋群(甲状舌骨筋、胸骨舌骨筋など)です。

これらの筋肉を使う声を訓練することで、基本的な滑舌の良さが決まり、そこから細かい味付けとして、構音筋などを使ってきれいに聴かせるのが本来の滑舌の訓練です。

他にも、いい印象に聴こえる/聴いていると安心できる という役割を持つ筋肉を自由自在に使いこなせるようになれば、ストレートナレーションの声にも変化が出てくると思います。それは、発声診断書®︎のレッスンでお伝えしています。

いかがでしたでしょうか?発声コンディショニングに基づいて考えると、ナレーションのコーチはたくさんいらっしゃいますし、教育としては充実していると思います。今回は、トレーナー目線とメンター目線でお伝えしてみました。

身体的感覚反応の具体的な取り入れ方、メンタルコンセプトの細かな手順、今必要な発声訓練などは発声診断書®︎のレッスンにてお伝えしています。

発声診断書両面

発声診断書®︎で行うのは次の内容です。

  • 発声理論をもう少し詳しく解説
  • 10個の声を出して現在の声の状況を診断する
  • 日課メニューを組む

ライトコース/スタンダードコース/スペシャルコースの3つのコースからお選びいただけます。



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