ロードバイク

物事を上達させる基本的な考え方 ー有能な状態への変化と、論理・感覚のコントロールについてー



物事を上達させる成長過程

お仕事で技術を身につける、日常生活で習慣を定着させるなど、何かを身につけるための型や手順が存在します。
ノウハウを習得するのに、見て盗めという世代もあれば、ググって調べる世代もありますが、ここではノウハウの取得から習得までの成長過程についてのお話になります。

物事を上達させる成長過程の状態推移
  1. 無意識無能な状態
  2. 意識無能な状態
  3. 意識有能な状態
  4. 無意識有能な状態

自転車に初めて乗るのを例に、その成長過程を見ていきたいと思います。なお、自転車に乗る目的は、歩いて移動するよりも早く移動するためと定義したうえで解説を進めます。




無意識無能な状態

無意識無能な状態とは、全く何も知らない、もしくは必要と感じていない状態になります。
自転車でいうと、自転車の存在を知らない、もしくは早く移動する理由がないなど自転車に乗りたいと思っていない状態といえます。
自転車に乗る理由がない場合、本人が無能/有能の観点で語る機会もないため省きます。

「もっと早く移動したいなぁ」と思っている人が、ある日、車道を颯爽と走り抜ける自転車を目撃します。自転車を知らない人は、きっと驚愕するでしょう。

「なんだ!?人が何かにまたがってものすごい速度で走っていったぞ!?」

そして、もっと早く移動したいという悩みを解決してくれるのは、あの物体ではないかと意識し始めます
調べた結果、どうやらあれは自転車という乗り物で、1対のペダルを漕ぐことで前後のタイヤが回転し、前進駆動するものであるということを知ります。
この段階で、無意識から意識した状態に変化します

意識無能な状態

自転車という乗り物を知り、これで早く移動できるぞ!と思い乗ってみるものの、バランスが取れず転んでしまいます。
自転車という存在を知りつつも、使いこなせない状態。
いわば、意識無能な状態になります。
どうにも左右のバランスを取るのが難しいので、初心者用のアイテム補助輪をつけて乗ります。
左右のバランスを取る心配がなくなり、ペダルを漕ぐこと、前進する体感・体験を積むことで、自転車で前に進む感覚を身につけていきます。

意識有能な状態

補助輪で運転感覚を十分に身につけ、いよいよ外すときがやってきました。
ペダルを漕ぐこと・ハンドル操作をすることに慣れ、左右のバランスを取ることに集中することができます。
少し気を抜くと転んでしまうかもしれませんが、転ぶことなく見事に乗ることができ、走行する分には問題なくできるようになりました。
訓練した結果、自転車に乗れるようになった状態。
この時点で、意識有能な状態になったと言えるでしょう。

無意識有能な状態

私道や庭で十分に練習した後、道路で交通ルールに則ったうえで、本来の目的である「早く移動する」状態を手に入れました。
自動車に気をつけながら道路を走行していますが、道路状況は意識して気をつけているものの、自転車の走行については「絶対に転ばずに乗るぞ!」と思わなくなっています。
意識せずとも自転車に自然と乗れている状態。
これで、無意識有能な状態となりました。

ロードバイク



無意識有能な状態を実現する

無意識有能な状態とは、意識せずとも自然とできる状態です。
日常生活であれば、歯磨きが分かりやすいかもしれません。

「絶対、ぜったいに、歯を磨くぞー!」

…普段磨いていない人は、そう思うかもしれませんね。
磨いていない人は、間違っても人前ではその素振りは出さないように(笑)

歯を磨く際、「磨くことに成功するぞ!」なんて思わないですよね…多分。

今日の予定、なんだっけなー?
寝グゼやべぇ〜(笑)

なんてことを思いながら、特に意識もせず、ブラシを上下左右に動かしていると思います。

技能を身につけるとは、まるで朝の歯磨きのように、何も考えずに自然とできる状態にまで持っていく…とイメージするのが分かりやすいのではないかと思います。



論理的か感覚的か

「自分は論理的な考え方をするから、詳しく説明してもらわないと分からない」

「自分は感覚的な人間だから、ごちゃごちゃ説明されるより、やって身につけたいんだけど」

日常のコミュニケーションでありそうな会話かなと思います。
先天的に、論理的に考える傾向の脳である/感覚的に実行する傾向の脳であるーという最新の生理学的見解があります。
一方で、体験・経験を経て、後天的に論理的/感覚的になる場合もあります。

この論理的/感覚的については、どっちが気持ちいい(=先天的)はあるものの、自分は論理派/感覚派であると振り切る必要はないと考えています。
なぜなら、物事の上達過程において、論理的フェーズ・感覚的フェーズは混在しているからです。

見て・聞いて・感じたもの(=知覚、=感覚)自分の体験等で得た価値観に紐付けて言葉で解釈(=論理)しそれを体現(=感覚)するという構造になっています。

左右のバランスを取る際も、傾かないよう水平を保つという言葉で理解した上で、水平感覚を体現します。傾かないようにするという言葉だけでは、いざ乗ったときに傾いてしまいますし、傾かないという言葉で理解していなければ、傾くか水平かに焦点が当たらず、傾くことを問題と認識できないかもしれません。
よって、どちらも上達過程には必要なものであるため、得意・不得意はあってはいいものの、どちらかだけでは成立しないため、一方に振り切る必要はないかと思います。

こちらの動画で詳しく解説しています。

【発声教室】上達するためにたどる4つの工程 論理的・感覚的の考察

リビング・システム思考モデル

見て・聞いて・感じたもの(第一次体験)を、情報として受け取り意味を与え(第二次体験)、理解する工程をリビング・システム思考モデルともいいます。

ボイスカルチャージャパンで実施しているリベラル・アーツは、知覚を鍛えたり、意味付けを行ったり、情報の解釈を多彩に行う訓練で、リビング・システム思考モデルを定着させ、無意識有能な状態にすることを目的としています。
その結果、物事の本質を見抜き、知的生産力を向上させることが可能になります。
知的生産力を向上させることで、最終的に困難に立ち向かうための知識を得て、生きる力を身につけることを実現しています。

もっと学んでみたい!という方には、ニュートラルベースNLP®︎の講座がおすすめです。ぜひご検討ください。

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