変性意識(トランス/ゾーン/フロー)とは?



変性意識について

発声の動画等をアップする中で、最も質問を多くいただいたのが変性意識に関することでした。
日常の訓練の集中力をより高める方法を知りたいという方、たまたま丹田というワードでたどり着いた方、さまざまです。

今回は、変性意識とは何か、変性意識の知得・体得によるメリットについてお伝えしたいと思います。

こんな人におすすめ
  • 新しいことを考えたり吸収したりしたい方
  • 集中力の高い状態を作ってみたいという方
  • 精神的な問題(メンタルプログラム)に悩んでいる方

動画でご覧になられたい方はこちらをどうぞ。

変性意識(トランス/ゾーン/フローetc)の定義と効果




変性意識とはどういう状態か

チャールズ・T・タート

変性意識状態という言葉は、アーノルド・M・ルドウィックという方が1966年に提唱し、チャールズ・T・タートという方が、著書 Altered states of consciousnessにて一般的に広まったと言われています。

通常の活動時、脳波はβ波(ベータ波)という状態にあります。諸説ありますが、周波数帯域は14Hz〜28Hzと言われています。ピンと来ない方もいらっしゃると思いますので、簡単に書いてしまうと、日頃の生活で警戒・集中しているはっきり目が冴えているとき、脳が1秒間に14〜28回程度、電気的に波を打っているという感じです。

脳波の状態

変性意識とは、安静や瞑想により、β波よりも脳波の周波数帯域が低い状態の総称を指します。
特別なことと思いきや、生きている人全てが日常的に体験していることでもありますね。

変性意識状態を表す言葉

変性意識状態という言葉の類語として、次のものが挙げられます。

トランス/ゾーン/フロー/ランナーズハイ/ピークエクスペリエンス/無我の境地/アフェット

段階の差はあれ、どれも変性意識状態と言っていいと思います。
どの言葉がどの段階を指すかは、提唱している方が別々なので一概に言えませんが、

集中力が少し高まった状態がランナーズハイ(α波の周波数の中でも、β波に近い状態かな?)
→ そこからさらに集中して、ある1点に集中している状態がトランスやフロー(α波〜θ波)
→ さらに集中して極限状態になると、無我の境地やゾーン状態になる

という解釈でいいと思います。
共通して言えることは、何か1点に集中しようとする状態であることであり、それは「集中しようとすればするほど集中できなくなる(これ自体が雑念だから)ということでしょうか。

瞑想状態から変性意識状態になる

瞑想状態を作り出すといえば、坐禅であったり、マインドフルネスを思い浮かべるかもしれません。
そのキーワードは呼吸かもしれませんし、雑念との向き合い方かもしれません。

瞑想

質の差はあれ、静かに目を閉じて、5分間でいいので、いつもより思考を少なくしていれば、それも瞑想状態と考えて構わないと思っています。

もちろんそれは序の口であり、さらに深い状態になるためには、やり方・あり方が重要になってきます。

腹式呼吸や丹田が重要と言って、息を吸うときにお腹を膨らませる〜、お尻の穴を閉める〜というのをよく見かけますが、あれ、全然意味がないです。
丹田とは精神世界、すなわち気の概念なので、魂と同じ階層だと思います。眉間の奥10センチにあると言われる主魂(諸説あり)を取り出すために、顔をドリルで穴を開けませんし、魂が揺さぶられる状態を作ろうと頭を振っても、気持ち悪くなるだけですよね。お尻の穴を閉めることで得られるのは、排便のコントロールと重たいものが持てるくらいじゃないでしょうか(笑)



変性意識状態を作り出すことのメリット

では実際に、変性意識状態を作り出すことによって、どんなことができるようになるのでしょうか。
以下、3つほど挙げてみました。

新しい信念や思考・行動パターンを作る

変性意識状態は、左脳優位な状態から右脳優位な状態になることともいえます。

左脳とは、論理的、分析的、合理的、言語を司る
右脳とは、感覚的、創造的、直感的、無批判な状態

小学生になるまでは、知識や人生経験が不足している状態で、親や周りの人たちの言うことを理屈抜きで受け取ります。そして、自分という存在が受け入れられているかどうかを感覚・感情的に行っている状態と言われています。これは、右脳優位な状態といえます。

こども

そして人は、生まれたときからこれまでに、多くの信念・価値観を作り出しています。

特に3歳までの完全に無抵抗な時代に受け取って作り出したものは、加工されずそのまま入ります。三つ子の魂百までということわざが、見事にそれを表しています。

大人になった私たちが、新しい信念や、思考・行動パターンを作るためには、必然的に子どものように無批判になる必要があるため、変性意識状態を作り出すことが有効な手段になると思っています。

現在抱えているメンタルプログラムの改善に効果的

メンタルプログラムとは、心理的・精神的ななんらかの問題(プログラム)によって発生する病気等の症状のことをいいます。
分かりやすい例ですと、うつや不眠、IBSといった症状もですし、人前で極度に緊張してしまう、いつも肝心なときにお金がなくなるといった悪習慣なんかも挙げられます。

お金がない

誰しもが1つや2つ、こういった問題は持っているでしょうし、もしも改善できたら嬉しいと思うかもしれませんね。

その主な原因となっているのは、3歳までの完全に無抵抗な時代に受け取って作り出した信念・価値観だったりします。
例えば、大きな声で話せないという人の幼少期を遡ってみると、おもちゃで遊んでいたら、ママから「ちょっとうるさいから静かにして」と言われたとき「僕は大きな声を出すと大好きな人から嫌われる」といった価値観と作り出してしまうといった場合です。

もちろん、そのときは必要な価値観であり、自分を守るためのプログラムではあったけれど、今となっては不要かもしれません。
小さくなって着れなくなった服を思い出にしまいつつ処分するのと同じで、それを手放すことで大きな声が出せるようになるーカウンセリングではこのようなことを実施します。

肯定的意図(変性真意)

ただし、なんでもかんでも改善すればいいというものでもないと思っています。
中には、意識的にはやめたいと思っていても、無意識下では必要だと思って選んでいる場合も数多くあります。なんでもかんでも改善だー!ブロックを外せー!というわけではなく、必ず自分の奥深くにある真意を知る必要があると考えています。
この真意のことを肯定的意図、僕は変性真意と呼んでいます。

あくまで自分の一部です。お前はダメな子だ、いらないって言われたらとても嫌な気持ちになりますよね。自分の一部なので、とても大事に労わってあげることが大事ではないでしょうか。

カウンセリング
カウンセリングセッション

以上を踏まえて、今の自分にとって最も必要な状態を作り出すカウンセリングを行なっています。2時間ほどで、メンタルプログラムに対して適切なアプローチを行います。



無意識の力を借りて能力を向上させる

顕在意識(=意識)・潜在意識(=無意識)の領域の差を、よく5:95といった数字を見かけますが、最新のものでは1:20,000、マニアックな人は1:200万という結果を発表1山崎啓支氏の独自の研究結果だそうですされています。

氷山

例えば、字を書くときに、縦かいて横かいて丸かいて…と意識する背景に、例えば鉛筆をどの角度でどのくらい力を入れるか、鉛筆を走らせているときの音はどうか、紙を抑えている反対の手のひら・椅子に座っている背中やお尻に感じている感触はどうかなど、無意識に同時にしている・感じている行動はたくさんあります。領域の差とは、厳密には行動の数ではなく、持っている無意識の力がその200万倍強いという意味だと考えています。

字を書く

はみがき

そしてもう1つ、なぜ無意識の力が大事かという例として、歯磨きを想像してください。
絶対、何がなんでも歯磨きを成功させるぞ!と思いながら、一生懸命歯を磨くという方は、そういらっしゃらないと思います。磨く習慣がない人や、プラークコントロールを身につけたいという人は、もしかしたらそう思うかもしれませんが、普通は何も考えず、ただ淡々とブラシを前後左右に動かしていると思います。

人との会話もそうで、声を出すには、声帯筋を振動させて、喉頭原音を〜と意識しなくても、普通に声は出ますよね。
音程を取れるようになりたいとか、そういった場合には、意識して練習を行いますが、ただの日常会話で声帯筋が〜なんて思わないですよね。

無意識でできることとは、プログラムされている状態で、プログラムされていることというのは、言葉の通り、意識しなくても淡々とできる状態といえます。
まるで毎日の歯磨きや会話のように、意識してできるようになったことをプログラムして無意識に淡々と行うことができるようになった習慣等が数多くあると思います。

無意識無能な状態から上達していく工程についての解説動画になります。

【発声教室】上達するためにたどる4つの工程 論理的・感覚的の考察

この無意識に頻繁にアクセスすることで、体得速度に影響が出ると感じています。
個人的には、オートクラインという、自分が話したことを自分で聞いて、自分が考えていたことに気づくという機会が極端に増えた気がします。

いかがでしたでしょうか。ここまでは知得として書いてきました。実際に体得するための具体的な方法や手解きは有料の内容になります。

変性意識への深い入り方
  1. 変性意識へのペーシング
  2. 深い深化レベルに潜る
  3. 古典的な入り方、現代的な入り方

興味のある方は、ぜひこの先に進んでみてください。

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