慢性的に眠れない人へ 確認してもらいたい3つの不眠の原因



不眠症の人への対応

不眠症の原因の分別

これまでカウンセリングを担当してきた中で、最も多かった症状は不眠症です。

不眠の種類
  1. 発熱や湿疹など、身体的な症状が原因で眠れない
  2. 将来に対する不安など、精神的な内容で眠れない
  3. 楽しいことに夢中になりすぎて夜更かしをする習慣がある
  4. 明るい・うるさいなど、環境に影響されて眠れない

①は、内科的/外科的な身体が原因となるため、お医者さんとの相談が必要になると思います。
②は、精神生理性不眠症と呼ばれ、精神科やカウンセラーが対応します。
③は、原発性不眠症と呼ばれる症状の一例になると思います。
④は、できる努力はしつつ、できない場合は環境を変えましょうになるかもしれません。

先生と女の子

不眠症を訴える方への対応

僕は行動療法心理療法を行っており、身体的原因を除く②〜④の症状を原因とする不眠に関しては、短期間での改善のお手伝いをしてきました。クライアントは、市販の睡眠薬を飲んで騙しだまししている人から、お医者さんに長年かかっているが回復しないという方までいらっしゃいます。

不眠の症状持ちの方は、他のメンタルプログラムを併発している場合が多く、必要であれば、併発しているものも一緒に…なんてこともよくあります。

同じ症状でも、心因性のものに関しては、同じ症状でも原因は全員異なるので、あくまで一般論および試してみたい行動を紹介する程度に留まってしまいますが、眠れずに辛いという方は、ぜひ一度最後までお読みいただければと思います。

こんな人におすすめ
  • ふとんに入っても寝つきの悪い人
  • 長年、睡眠薬を服用している人
  • 精神的なことが原因で眠れない日が続く人



不眠症の人に確認してもらいたいこと

入眠時に確認したいこと

まず、普通に眠れる状況にあるかを確認してみたいと思います。環境や生活習慣によって、眠りにくい状況になっていないかです。

眠るときは、副交感神経が優位になっていると眠りやすいということは、不眠解消を試みている人なら、よくご存知かと思います。

部屋の照明は明るいより暗い方がいいですし、真っ暗が怖いとかえってリラックスできないーその場合は豆球などをつける。
寝る30分前はスマホを見ないのも有効かもしれません。頭が働いていて、活発に働く交感神経が優位になりやすいためです。
また、お風呂上がりは脳があったまっているので、眠りにくいーこの辺りは意外と知られていないのかもしれません。

スマホベッド

いくつか分かりやすい事例を挙げてみましたが、今の環境は眠りやすい状況か、正確には眠りにくい条件を作り出していないかを1つ1つ疑ってみます。

ポイントは、リラックスできる状態かどうかです。

ふとんに入ってからの考え方

次に、ふとんに入ってからです。

睡眠は本来、自然に自発的に行われるものです。寝ようと思って努力するのは不自然な行為になり、かえって眠れない場合があります。

ベッドで寝落ち

改善のコツは、寝ようとするのをやめること。寝るためにふとんに入っているのに、寝ようとするのをやめろとは、なかなかですよね。
でも、自然に自発的に行われるものであるからこそ、意図的に行って入眠する方法以外はやめるのがベターだと思います。1意図的に行って入眠する方法としては、例えば思いっきり全身に力を入れて1分で眠りに落ちる軍隊で用いられるような手法です。

寝ようと意気込むのは、リラックスしていない状態になってしまっているかも!?

精神的なことが原因で眠れないときのあり方

原因は本人の中にあるが、自分では分からない

不眠症(インソムニア)

不安などから来る不眠の習慣についてです。

まず断っておきたいこととして、何でもかんでも不眠の症状を解消すればいいというものではないということです。不眠という症状をによって、得ているメリットもある可能性があるかもしれないからです。

根本的な原因ー多くは本人の信念や価値観などに起因するのですが、それを無視して、ただ不眠という症状だけの解消を試みると、必ずと言っていいほど、新しく別の何らかの症状が出ると思います。

カウンセラー業界で有名な言葉があります。それは、クライアント(患者)は嘘をつくから、言うことを信じないです。これだけ聞いたら、なんか嫌な感じですね(笑)

もしも、クライアントが「これが原因だ!」と思っていることがあっていれば、おそらく既に解決していて、その問題を抱えていないはずなんです。だって、原因が分かっているはずなんだから。ミスリードした見方で物事を見て聞いて感じているので、本人の見立てはほとんど間違っているーそう、あってることが言えないんです。原因は全く違うところにある…カウンセラーは、いかに上手に質問して引き出し、正確な見立てができるかが重要になります。2僕はたまたまかもしれませんが、自分の名前(苗字じゃないよ)を戸籍上正式に改名した経験があり、自分は誰かという自問自答を幼少期からしていたからか、そういった部分は得意かも?

症例:不安で眠れないと訴える人

不安だから眠れなかったAさんの例を紹介します。不安で眠れないと訴えるAさんとカウンセラーによるジョイニングです。3ジョイニングとは雑談をいいます。ヒアリングやクライアントのリソース探し、信頼関係の構築を目的として、カウンセリングの冒頭に行う雑談のようなものです。

具体的に、不安だと思っていることは、どんなことなんでですか?
貯蓄があまりなく、仕事で稼ぐにも給料が上がるイメージが湧かないんです。課長以上は役職手当はつくものの残業手当がつかなくなり、給料が実質下がるうえに勤務時間が長くなるので、家族との時間も減る。昇進してもいいことがない。退職しようにも再就職先があるかどうか不安な年齢なので困っています。
なるほど。どれが1番不安ですか?
給料ですかね。ありがたいことに、会社が残業しない方針を打ち出したころ、副業許可を出したんです。ので、今は副業をコツコツ進めながら、副業が伸びれば昇進せずそちらに、ダメだったら諦めて管理職コースに行こうと思ってます。
副業は順調ですか?
今は出費の方が多い状況ですけど、1年で黒字になりそうなペースではあります。
奥さんは、その件について何か仰ってますか?
稼ぎが減らなければ、好きにしていいよって言ってくれています。

ーという、2人のお子さんのいらっしゃる30代半ばの男性(掲載許可済)です。

稼ぎを絶対減らさないようにするため、わずかな貯蓄を投資し、副業で稼げるようになりたい。

ご本人の主訴を信じるなら、じゃあ副業で稼げるようになるために、次に打つ手はどうしましょう?が正解になります。
が、もしあなたが、いち友人として相談に乗っていたなら、おいしい副業や稼ぎ方のノウハウを一緒に探しますでしょうか?
多くの方は、多分探さないと思います。

「何バカなこと言ってるの!現実を見なさい!副業でホイホイ稼げるほど世の中甘くないのよ!まじめに働きなさい!!」と、自称カウンセラーの【自分の体験に基づいて、考えや価値を押し付けるアドバイザー】から助言をもらってしまったら…もっと寝れなくなっちゃうかもしれませんね。



解決までの道のり:リフレーミング

ふと思ったんですが、普通に正社員で働いて、副業までやっていたら、寝る時間って減るのが普通じゃないですか?
そうですね。
不安で眠れないというか、起きてやることが多くて寝る時間を減らしているから寝れないっていう可能性は?
物理的にはあり得ますね。
もしも副業をやめたら、寝れそうですか?
う〜ん…でも不安だなぁ。
例えば、今ここで1000万円ハイって渡したら、しばらく眠れそうですか?
眠れると思います…ん?なんか引っかかるなぁ。あー、もしかしたら眠れないかもしれない。

お金が原因で不安になって眠れないと思っていたのが、少し違うと気づかれました。

結局のところ、自分の父親について、稼ぎが良かったものの家にはあまりお金を入れず、仕事が終わったら豪遊していたのをよく思っていなかったというのが出てきました。

カウンセリングで分かった、相談者の主な信念・価値観
  • お金を持ちすぎるとロクな人間にならない
  • 母親に寂しい思いをさせた父親の否定から、自分の奥さんや子どもに絶対に寂しい思いをさせてはならないと決めている
  • 奥さんの「稼ぎが減らなければ、好きにしていい」が、無意識下で「稼ぎが減ってはいけない」になっていた

といったことが絡み合って、自律神経が不安定になっているようでした。
父親と自分は違うこと、奥さんは別に今を悲しんでいないと理解したことで、自分のできることを精一杯やろうと決意されました。

その後の変化

その後、副業をやめ、会社では管理職コースに進まれました。
ちょうど奥さんも、子育てが落ち着いて仕事したいと思っていたようで、パートに出て家計は安泰、もちろん眠れるようになったようです。

話は長くなりましたが、自分の思っている不眠の原因は一因程度であること、そして多くは自分の信念・価値観が強すぎて視野が狭くなって苦しんでいる場合があること、その信念や価値観を少しだけ緩めてみると、今まで悩み苦しんでいたのはなんだったんだろうと思えるほどスッと解消することがあるかもしれません。

man_and_woman

いかがでしたでしょうか?
メンタルプログラムは、薬物療法を行わなくても解消する場合も多く存在します。
もしも心因性の何かが原因で眠れないと思っていらっしゃる方で、解消を試みたい方は、カウンセリングセッションをお申し込みいただければ、できる限り対応したいと思います。

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