コロナ禍を経験し、Zoomを活用したセミナーやレッスン、そして飲み会まで流行りましたね。
今までリアルの会場に集まって開催しなければいけなかったものが、自宅でそのまま集客・開催できてしまう利便さには本当に驚きました。
多くの業界関係者が、Zoomを活用したセミナーやレッスンに乗り出し、廃業にならなくて済んだ方も多かったのではないでしょうか。
かく言う私も、ボイストレーニングが主な生業であるため、コロナ禍においては対面レッスンを中止していました。しかしながら、オンラインのレッスンのご要望をいただいていたにも関わらず、原則として行いませんでした。
その理由は、通常レッスンは、主に受講生側のデメリットが非常に大きいからでした。
今回はレッスンに絞り、どういった点がデメリットなのか、そして今後オンラインでレッスンを受講しようと検討されている場合、気をつけた方がいい点などについてお伝えしたいと思います。
リアルでのレッスンとオンラインレッスンのちがい
オンライン環境に左右される
まず、最も分かりやすいのはオンライン環境かと思います。懸念するポイントは2点、聴取機器と通信環境です。まず聴取機器についてです。
講師の声を聴くための機器には、いくつか種類があります。
- モニタースピーカー
- 本体のスピーカー
- イヤフォン
- ヘッドフォン
私が推奨しているのはモニタースピーカー1ダントツのおすすめは写真のTIMEDOMAIN lightです。10万円以下ならこのモニタースピーカーが最も自然な音として心地よく聴取できます。生産が縮小しているのがとても惜しい。が、利用されている方は少なく、ほとんどが本体スピーカーやイヤフォンのように見受けられます。
なぜ聴取環境が重要かというと、安いものでは、細かいニュアンスを聴き取るのは非常に難しいからです。
セミナーなどは、聴き取れればいいレベルですので問題ありません。
しかしボイトレでは、○○筋を使った声、細かい表現などを聴き取って再現する訓練があります。
講師側はまだ聴く力があると思うのでなんとかなりそうですが、受講生の方は難しいです。
はっきり言って、違いを聴き分けるのはほぼ無理だと思います。2聴き分けができるようなら、レッスンはほぼ必要ないというくらい、本来は聴く力の重要度が高いからです。
同様に、マイクも重要になってくると思います。イヤフォン付属のマイクや本体内蔵のマイクだと難しいケースが大半です。昔はオーディオI/Fにマイクを接続して〜なんてやっていましたが、最近はUSB接続のマイクのクオリティが高くなり、かつ買い求めやすくなったので、1台持っておくと便利だと思います。
通信環境
次に通信環境です。主には通信速度などになります。
例えば、ピアノの音に合わせて声を出しましょう…は、ラグが発生するため、合わせるのが難しいように感じます。これはどちらかというと講師側のハードルが高めです。
また、重たくて固まる等の可能性も考えられます。人によってはストレスを感じるかもしれませんね。3僕はストレスだらけでした(笑)
言葉の重要度が上がる
顔や上半身しか映らない=得られる情報が少ない、そして周りの環境に左右され没入感が弱くなる…そんな状況で大事になってくるのが、言葉の重要度です。
視覚情報が限られるので、聴覚情報の重要性が高まります。そこで重要なのが、使う言葉、言い回し、影響言語になります。そして、限られた視覚情報の中で、聞いている受講生の反応を逐一拾い上げて反応を示す必要があります。
リアルでは比較的容易に作れたかもしれない信頼関係の構築が、オンラインだとはるかに難易度が跳ね上がります。
規約も必要
また忘れがちですが、リアル同様、オンラインレッスンでも規約は必要だと思います。
キャンセル等はリアルと同じでいいと思いますが、通信が途絶えた場合の責任はどうするのか、講師側の音声が聴き取りにくくても金銭は発生するのか等、リアルレッスン以上に問題(主に責任の所在の明文化)がちょっと複雑な気がします。
オンラインレッスンで考えたいこと
オンラインレッスンをするにあたって、代表的な難点を4つご紹介しました。
受講される方は、オンラインでできることとできないことを明確に把握し、できないことはやらないと決めるのが望ましいと思います。
講師は、オンラインで開催するにあたり、どういった点を考慮するといいのかについては、ボイスカルチャージャパンのオンラインサロンでご紹介しています。(有料)
主には、表現のあり方や方向性、そして使用する言語についてになります。
コメント