声帯靭帯の構造と機能
声の仕事をするうえで、声帯周りの構造や機能を知っておくといいことがあります。
- 声に関する理解が深まる
- 的確な訓練を考え実行できる
- 喉・声のケアを効果的に行える
前回は声帯筋の構造と機能をご紹介しました。
今回は、発声の主人公の声帯筋をサポートする相棒声帯靭帯についてお伝えします。
声帯靭帯は声帯筋を覆うように位置する
気管の上部には、弾性のある膜で裏打ちされており、縦方向(前後方向)に伸展する部分を声帯靭帯と呼んでいます。声帯靭帯は、喉頭にある甲状軟骨と披裂軟骨をつなぐ筋肉声帯筋を覆うように存在します。
声帯の断面を見て見ましょう。写真で色分けされているように、浅層(せんそう)、中層、深層と3つに分けて考えられます。声帯筋は深層にありますが、それを覆うように、中層〜深層にかけて声帯靭帯があります。
声帯靭帯は自ら動くことのできない不随意筋である
声帯筋は独自に動くことができる筋肉(=随意筋)でしたが、声帯靭帯は独自に動くことはできない筋肉(=不随意筋)です。
随意筋は、運動神経によって支配され、自ら動くことのできる筋肉です。1ただし、1つ1つが独立して動くというより、まとまって動くものがほとんどです。よって、発声訓練でも、1つの筋肉を個別に訓練するわけではなく、各神経によって動かされる筋肉たち(筋群)をどうコントロールするかという集団訓練になります。 一方、不随意筋は、自律神経によって支配され、自らは動くことのできない筋肉です。心臓をはじめとした内臓の筋肉などが該当します。
声帯靭帯が担う役割
声帯靭帯の大きな役割は、伸展することによって、声帯筋を四方に伸展させる力を加えます。
ただし、声帯靭帯は自らは動けないので、近辺の発声に関連する筋肉にたちに、自らを引っ張ってもらいます。
こちらの動画で詳しく解説しています。
もしも声帯を主人公とするならば、声帯靱帯はお母さんのような存在なのかなと考えています。
次回は、三層に分かれていると記載した声帯の粘膜層についてご紹介したいと思います。
発声器官について、もっと詳しく聞いてみたい!という方には、ボイスカルチャージャパンが提供しています発声診断書®︎のレッスンをおすすめします。マンツーマンで、丁寧にお伝えしています。
発声診断書®︎で行うのは次の内容です。
- 発声理論をもう少し詳しく解説
- 10個の声を出して現在の声の状況を診断する
- 日課メニューを組む
ライトコース/スタンダードコース/スペシャルコースの3つのコースからお選びいただけます。
コメント